2016年8月19日、GoogleはChromiumブログで Windows / Mac / Linux向けのChromeブラウザにおけるChromeアプリのサポートを段階的に廃止する方針を公表しました。
同ブログによると、まず、2016年内に、新たにリリースされるChromeアプリはChromeOS向けに限定され、WindowsやMac、Linuxで動作するChromeアプリはサポート対象外となります。2017年後半にはWindowsやMac、Linux向けのChromeアプリはChromeウェブストアから姿を消し、2018年前半に、これらのOSでChromeアプリを使うことはできなくなります。
拡張機能は残るようですが、TweetDeckやPixlr Editor、Google Play Musicなど多くのユーザーに利用されているChromeアプリは多数あります。これらがWindows等のChromeブラウザで利用できなくなるのは非常に残念です。
2016.8.31 訂正
上で例示していたTweetDeckとPixlrEditorは、既にWEBアプリ化されており、Chromeウェブストアで配布されているChromeアプリWEBサイトへのショートカットに過ぎなくなっています。このため、Chromeアプリが廃止された後も同URLへアクセスすることで使用を継続できます。
懸念
同一のGoogleアカウントでログインさえすれば、自宅や事務所のWindowsPC等で動作するChromeブラウザと同じ環境を再現できることが、ChromeOSとChromeブラウザの長所の1つです。ネイティブアプリを必要としない軽作業であれば、どこにいても、どのプラットフォームでも同じ環境で行える ― この利点は、WindowsやMacユーザーにChromebookを手に取らせる強力な武器の1つだったような気がします。
この武器を失ったChromebookは、大多数のWindowsやMacユーザーから新たなユーザーを獲得することができるんでしょうか。
また、Googleのこの選択は、Chromeブラウザの魅力を低下させているように見えます。将来的に、ChromeアプリはAndroidアプリに集約する方針なのかもしれませんが、Chromeアプリを失うことは他のプラットフォーム上で、Chromeブラウザを選ぶ1つの理由を失うような気がしてなりません。
かつては軽快に動作したChromeブラウザも、いまではスッカリ重いブラウザになっています。Chromebook上では今でも軽快に動作しますが、Windows上ではMicrosoft Edgeの方が高速に動作しているように感じます。実際にGoogleのJavascriptベンチ Octane2.0では、Edgeの方が20%近く高いスコアをマークしています。この傾向はIntel NUC6i7kykだけでなく、NUC5i5RYKやAthlon5350搭載の自作PCでも同じです。
スピードに加え、アプリまで失ってしまうとChromeブラウザを選択する理由はサンドボックスによる高いセキュリティ性能くらい(それが最も重要ではありますが)になってしまうかもしれません。
Google ChromeとMicrosoft Edgeの比較(Google Octane 2.0ベンチマーク)
Google Chrome on Intel NUC6i7kyk
Microsoft Edge on Intel NUC6i7kyk
まとめ
Googleの今回の選択は非常に残念。何より、僕の場合もChromebookとIntel NUC上のChromeブラウザで環境が変わってしまい、使い勝手が悪くなります。
これは、いよいよモバイルNUCを始める必要があるかもしれんね。←違う