CES2017で正式にリリースされたChromebookのニューモデル「ASUS Chromebook Flip C302CA」を購入しました。米Amazon.comで「在庫なし」の状態が続いていますが、B&Hと双璧を成すNYのカメラ店「Adorama Camera」がAmazonマーケットプレイスに10台だけ出品していたので、すかさずポチりました。1月10日に注文して、1月13日に到着。
Adorama Camera 仕事はやっ!
まだ、使い込んでいませんが、開封して少し動かしてみた時点でのレビューを書きます。
ASUS Chromebook Flip C302CAの基本情報
レビューの前にASUS Chromebook Flip C302CAの基本情報の確認です。
このモデルは年初に開催されたエレクトロニクス・ショーCES2017で正式リリースされたChromebookの1つで、
- Chromebookとしては高性能なCPU Intel Core M (6Y30 or 6Y75)を搭載
- 12.5インチのタッチ機能付きFHD(1,920×1,080)液晶を搭載
- メモリ容量4GB、ストレージ容量64GB
などChromebookとしては高性能モデルです。また、価格も499$〜と高価格帯になっています。
(基本スペック)
- CPU:Intel Core M 6Y30 / 6Y75
- RAM:4GB / 8GB
- ストレージ:32GB / 64GB / 128GB eMMC
- ディスプレイ:12.5インチ グレア液晶(1,920×1,080) タッチ機能付
- ネットワーク:IEEE 802.11a/b/g/n/ac, Bluetooth V4.2
- インターフェイス:USB3.1 Type-C×2, microSDカードリーダー, オーディオ・ジャック
- バッテリー駆動時間:10時間
- 寸法:W304 mm × D210 mm × H13.7 mm
- 重量:1.2kg
開封レビュー
それでは開封して、実機を見ていきます。
ASUS Chromebook Flip C302CAの同封品は、他のChromebookと同じく、本体とACアダプター、取扱説明書類のシンプルなものです。
本体はつや消し処理されたアルミニウム製ボディです。見た目はMacBookのようなつや消し具合ですが、表面はもう少しサラサラした手触りになっています。10.1インチモデルのFlip C100PAのモニター蓋と概ね同じ質感ですが、C302CAのボディの方がエッジが立ったデザインをしているので、見た目の印象はスッキリしています。
なお、ACアダプタは100-240V 50-60Hz 1.2A の容量で、接続端子は二又電源プラグとUSB Type-Cになっています。
実機に触れた最初の印象は、思っていたより薄いなというものです。10.1インチモデルのFlip C100PAよりも薄いので当然かもしれません。
ボディサイズ
ボディサイズも思っていたとおり、11.6インチモデルと然程変わりませんでした。僕は、持ち運びしやすさを重視して11.6インチモデルのChromebookを選んできましたが、これなら気にならず持ち運べそうです。
11.6インチモデル Acer Chromebook R11との比較
10.1インチモデル ASUS Chromebook Flip C100PA との比較
さすがに10.1インチモデルは小さい。
13.3インチモデル ASUS Chromebook C300MA との比較
13.3インチモデルはデカイ。モバイル用途なら12.5インチモデルの方が適しています。
キーボード
キーボードは標準的なキーピッチで、キーストロークも薄型ノートPCとしては十分確保されています。キータッチは「カチカチ」でも「カチャカチャ」というものではなく、もう少しソフトな感触のものです。この辺は好みの問題ですが、僕は同じASUS製ChromebookのC300MAやC100PA(10.1インチFlip)よりも打ちやすくて気に入っています。
C300MAの時に気になったキーボード天板の剛性不足はありません。もちろん、わざと強い力で押さえれば、キーボード中央がしなりますが、通常使用ではしなることはありません。
入力端子
ボディ右側には、USB Type-C端子が1つ、MicroSDカードスロットがあります。
ボディ左側はUSB Type-Cが1つ、ボリューム調整ボタン、電源スイッチ、オーディオプラグ、スピーカーが配置されています。
充電は、左右どちらのUSB Type-C端子からでも可能です。
ディスプレイ
このモデルの1つの特徴がタッチ機能を搭載したフルHD液晶です。Chromebookは安価であるため、フルHD液晶を搭載していても色域が狭いモノがあると聞いていましたが、このモデルは自然な発色で美しいディスプレイをしています。
ASUS公式によると、搭載されている液晶の色域はNTSC 45%(sRGBはNTSCの72%の色域しかない)です。ディスプレイの色域にこだわりのある人は、13.3インチモデルのASUS Chromebook C301SA(NTSC 72%、sRGB 100%)を選択した方が良いかもしれません。
なお、出荷時点では1,536×864の解像度にスケーリングされています。最大で解像度2,400×1,350の表示が可能ですが、12.5インチ液晶ではかなり厳しい解像度です。僕は1,536×864の解像度が一番快適に感じます。
処理能力(CPU)
購入したモデルはIntel Core M 6Y30を搭載しています。これがスコブル快適です。まだ少ししか使っていませんが、Pixlr Editorで画像編集しても引っかかることは1つもありません。重いウェブサイトを開いたところで、フリーズしたり、ブラウザが落ちることもありません。
処理能力だけで言えば、U系Celeronを搭載しているAcer Chromebook C720やDell Chromebook 11(2014)も快適でしたが、Intel Core Mはファンレスであるため、高負荷時でも無音で一層快適です。
現時点ではGooglePlayストアが未対応であるため、この処理能力がAndroidアプリの動作上どれほど好影響を与えるかわかりませんが、期待大です。
ちなみに、ブラウザのJavascriptベンチマークであるGoogle Octane2.0のスコアは「22799」でした。N系Celeronを搭載している一般的なChromebookのスコアは7000台なので、3倍以上のスコアになります。
GooglePlayストア
2017年1月14日現在、StableチャンネルでのGooglePlayストアは未対応です。取得方法もありますが、試していません。
2017.2.11追記
2017年2月11日、ChromeOSのStableチャンネルにおいて、OS56にアップデートされたことに伴い、GooglePlayストアとAndroidアプリの利用が可能となりました。Chromebookとしては高性能なCore Mを搭載しているため、アプリの動作は非常にスムーズです。
気になる点
全体的に満足度が非常に高いのですが、気になる点が2つあります。
1.ボディ剛性
1つ目はボディの剛性です。モニター蓋の2本の開閉ヒンジに挟まれたボディ側の剛性が少し弱いようです。2本のヒンジで接続するタイプのノートPCの場合、2本のヒンジに挟まれたモニター側の部分が弱いモノはよくありますが、このモデルは本体の厚みが薄いだけに、ボディ側も強い力で押さえつけると結構しなります。
通常利用には問題はありませんが、例えば、混雑する電車内で強い力が1点に加わると少し不安を感じます。
2.入力端子
USBメモリでリカバリメディアを作ろうとして気が付きました。USB端子がType-Cしかない。SDカードスロットも標準サイズではなく、MicroSDです。
規格が新しくなっていくのは仕方ありませんが、1つくらい旧型USB端子を付けて欲しかった。USB Type-Cのメモリを買わなければ。
まとめ
Chromebookとしては高価格モデルであるだけに、いままでの購入したChromebook(今回6台目)のなかで一番快適に使えています。その快適さは、処理能力やディスプレイの解像度だけでなく、ボディやキーボードの質感によるところもあります。
この快適さをWindowsやMacで手に入れようとすると、倍以上のお金が必要になるでしょう。だから「ブラウザしか使っていないのに、なぜかMacBook ProやSurface Proを持っている」系の人には強烈にオススメできるモデルです。
もう安物のChromebookには戻れんな…